スポーツ外傷とスポーツ障害とは

スポーツで発生するケガは、大きく分けて2種類になります。
1回の外力で突然ケガをしてしまう「スポーツ外傷」と呼ばれるもの。
反復運動による小さな外力や疲労などが積み重なった事で起こる「スポーツ障害」と呼ばれるものです。

スポーツ外傷はその場で「ケガをした」と分かる為、応急手当等ケガへの対応をしやすいのですが、スポーツ障害というのは日々の繰り返しで少しずつ発生する慢性的なケガであり「最初は気になる程度だった違和感や痛みが我慢できないくらい悪化してしまった」となり、治るまで期間を要するケースが多いです。
スポーツをベストな状態で継続する為には、違和感や痛みに気付いたら可能な限り早く対応する事が大切です。

スポーツ障害の原因は?
練習量や質に要注意

スポーツ障害は繰り返しによる慢性的なストレスが原因となるため、使い過ぎ症候群(オーバーユース症候群)とも呼ばれます。
スポーツ障害はすぐに発生するのではなく、時間の経過と共に違和感や痛みなどを感じ始め、それでも無理(無視)をして練習をし悪化させてしまうケースが大半です。

春に入部したての新入生がチーム練習に合流し、5月~8月に掛けてスポーツ障害の発生が多くなります。
また長期休暇(春・夏・冬休みなど)の期間も練習量や時間が増え、夏季は特に暑さで体力・気力共に削られる時期の為、特に注意が必要です。

スポーツと成長期の体

成長期とは、身長だけではなく筋力なども大きく伸びる時期でもあります。
身長が高くなるとは、骨が縦方向に伸びる事ですが、骨についている筋肉や腱は、骨の成長に比べて成長が緩やかなため、骨の成長スピードに追いつく事ができずに、関節の屈伸運動で強く引っ張られた状態になってしまいます。

そこへ運動を繰り返し行い、疲労が蓄積されると、筋肉や腱はさらに伸長性を失ってしまい、牽引によるストレスで痛みが発生してしまいます。

特に「ウエイトトレーニングを行うと身長が伸びない」と言う指摘もありますが、これは骨の成長に対して筋肉や腱がついていけずに痛みが発生する事を理由にしているものだと考えられますが、この時期の学生に対しては、筋肉や腱の成長に合わせた適切なトレーニングを行う必要があります。
筋トレは筋トレでも筋肉や筋力を強化するトレーニングではなく「筋肉や関節を操るトレーニング」がスポーツでは最も重要です。

成長期に多いスポーツ障害

成長期のスポーツ障害は、主に下肢に多くみられます。
下肢に多くみられる理由としては体重が下肢にかかり、骨や関節へ負担がかかるためです。
上肢にもスポーツ障害はみられますが、頻度は下肢に比べると少なめです。
よくみられる成長期のスポーツ障害について解説します。

●オスグッド・シュラッター(脛骨粗面)
身長が著しく伸びる小学校高学年から中学、高校にかけての時期にみられるスポーツ障害。
脚の骨の成長に筋肉や腱の成長が追いつかなかったり、オーバーユースにより膝下部分が常に筋肉や腱で引っ張られた緊張状態を作り出し、激しい動作や膝の曲げ伸ばしなどを繰り返すと痛みや腫れが起こります。
この状態が長く続き悪化すると、膝下にポコッと骨の隆起が出る事があります。

●ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)
ジャンプを繰り返すスポーツ選手や長距離走などの選手によく見られるスポーツ障害。
膝のお皿付近もしくはお皿の下辺りの靱帯が、反復ジャンプ動作や筋肉疲労などによって炎症を起こし、痛みや腫れなどが起こります。

●シンスプリント
ランニングやダッシュなどの練習量が増えると足の脛(すね)の内側あたりに痛みを伴うスポーツ障害。
圧を加えると痛みが出るのが特徴的で、この状態のまま練習を続けていると疲労骨折になる可能性があるので注意が必要です。

●足底筋膜炎
強い負荷を掛けたり、長距離走などで使いすぎると足の裏側にある足底筋膜(足底腱膜)に炎症を起こすスポーツ障害。
原因は強負荷・オーバーユースだけではなく、不良姿勢、足の形の異常、下腿三頭筋やアキレス腱の柔軟性の低下、足の筋力低下、シューズの不備などがあげられます。
足の裏側にある足底筋膜(足底腱膜)はダッシュ・ジャンプなどの時に伸びたり縮んだりして、衝撃を吸収するサスペンションの役目をしています。
このため強い負荷を掛けたり、長距離走などで使いすぎると炎症を生じます。

●リトルリーグエルボー(野球肘)
繰り返し投球動作を行う場合に、肘の内側に痛みを伴うスポーツ障害。
好発年齢は10~14才と言われ肘の運動時痛を訴えます。
悪化させると離断性骨軟骨炎などに移行するので注意が必要です。

●リトルリーグショルダー(野球肩)
シーズン開始直後や練習メニューを変えた時など投球動作に伴う上腕の捻りによる動作から、ピッチャーに最も多くみられるスポーツ障害。
投球動作などで肩に痛みが出現します。

小~大学生でのスポーツは、心身の健康の為であるべきで、健康を害したりしない程度が一番です。